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箱根駅伝の着用率激増とNIKEのランニングシューズのZOOMXソールシステム

明けましておめでとうございます。

新型コロナウィルスが終息することなく2021年を迎えてしまいました。
ワクチン接種が進み、治療方法が確立して、安心して生活できる日々が早く戻ってくることを祈るばかりです。

そして、年末年始の休暇もなく、感染症と闘っている医療従事者の方々へくつナビ一同、最大の感謝の念を送りたいと思います。

 

新年最初は、お正月の風物詩 『箱根駅伝』でのNIKEの一人勝ちが止まらない話です。

無事開催された箱根駅伝

2021年1月2日~3日に行われた日本の伝統的な駅伝大会「箱根駅伝」、多くの方がTVの前に座って1人で、もしくは家族で自分の母校や特定の大学を応援したり、順位が入れ替わろうとしている選手を応援したりと、十人十色な応援スタイルで観戦されたのではないでしょうか?

 

昨年から続く新型コロナウィルスが猛威を未だふるっている最中、開催が危ぶまれる声もあった中で、無事に開催されたことは箱根駅伝の1ファンである私も喜びながら観戦していました。

(筆者はスポーツ観戦でも浮遊層とも呼ぶべきか、負けている選手を応援したくなるマインドで観戦しています。)

 

さて、箱根駅伝の主役と言えばやはり走る選手達なのは間違いありませんが(山の神がいたり、区間新記録を出す外国人留学生選手がいたりと)、別の意味でも注目されているのは選手それぞれが履いている靴のブランドやそのモデルではないでしょうか?

 

厚底シューズでマインドリセット

2017年の大会までは、言わば「薄底でいかに衝撃吸収と高反発を両立させるか」という考え方の基、さまざまなスポーツブランドが苦心して新しい靴を開発し、多くの駅伝ランナーに提供してきました。

その頃は、各スポーツブランドの薄底ランニングシューズそれぞれがある程度シェアを握っている群雄割拠と言ってもよい時代でした。

 

ですが、NIKEのキプチョゲ選手が厚底シューズを履いてマラソン距離で2時間を切ったという衝撃が陸上界を湧かせ、徐々に厚底シューズが駅伝選手たちの中で浸透し始めました。

NIKE厚底シューズが市場で発売されると、一気に駅伝ランナーの足元やピンクやグリーンに統一され始め、たった数年でNIKEの1強と言っても言い過ぎではない様な状況となりました。

今までの薄い方がよいという常識をひっくり返された瞬間でした。

 

またこの流れを受けて、NIKE以外の各社も厚底シューズを開発し、市場に出していますが、未だにNIKEのZOOMシリーズが圧倒的シェアを持っている状況です。

年度 NIKE ADIDAS ASICS MIZUNO NEW BALANCE
2017 18% 16% 29% 36% 1%
2018 17% 23% 32% 26% 2%
2019 28% 17% 26% 18% 12%
2020 85% 3% 3% 4% 4%
2021 96% 2% 0% 1% 1%

 

時代の流れが厚底シューズに傾き、各社とも自社で開発した様々な新素材やテクノロジーを詰め込んだ高速シューズを作っている今、なぜNIKEの厚底シューズだけがこのような強烈な支持を集めているのでしょうか?

 

自分なりの感想や集めた情報を基に考察してみました。

 

想像を越える分厚いミッドソール

厚底シューズの代名詞とも言えるその分厚いミッドソール層(ミッドソールとは、接地するラバーなどの上の部分、ソールの中間層のこと)、ここには各社自分たちが開発してきた新素材やテクノロジーがふんだんに詰め込まれており、その成果がランナーの走りを補助し、よりよい成果を出せるようサポートしているといます。

 

どこよりも早く厚底シューズを開発したということからも、もちろんNIKEが、誰よりも長く厚く情熱を込めている部分であることは間違いないと思います。

履いた方なら分かると思いますが、このミッドソール「かなり柔らかい」です。 今までのミッドソール素材にはない柔らかさがあります。

 

そして、見た目の重厚感の割には軽いんです。

通常のEVA(エチレン酢酸ビニル:靴のソールに幅広く使用されている)でこんな大きさのソールを作れば、ある程度の重量になりそうですが、ZOOMXは軽いんです。

 

そんなZOOMXですが、この素材を使用したモデルの紹介ページには「nitrogen(窒素)」と説明がありました。窒素を使用した何か特殊な製法があるのでしょうか。。。


どちらにしろ、確かに衝撃吸収性はありそうだけども、慣れないとこれで走れるの?と思ってしまうような柔らかいソールです。
先に言っていた「衝撃吸収と高反発の両立という」点では、間違いなくほかの材料にはない衝撃吸収力があります。

 

では高反発はどうなっているかと言うと、それはミッドソール層に挟まれる形で入っている「カーボンプレート」です。

靴にカーボンプレート

アイキャッチ画像に載せていますが、NIKEの「高反発」を担っているは、このカーボンプレートです。このカーボンプレートはかなり硬く、保形性もかなり高いものとなっています。

このカーボンプレートが入ることで、着地の際にかかったパワーをカーボンプレートが受け止めて、それを前への推進力に変換します。

 

そして、このカーボンプレートが入った靴を履くことで、ランナーは走り方を大きく変えることになりました。

カーボンはそもそも曲がらないため、走っている中では必然的に踵が接地せず前足部だけで走る様な走り方になります。(フォアフット走法と言います)

つま先から接地し、体重が踵に行くときにカーボンがその力を受け止め、反発することで前方への推進力を生みだします。

これが、箱根駅伝を高速レースへと変化させていく、大きな要因ではないでしょうか?

 

ただ、やはり走り方が違うということは、使う筋肉も今までは使わなかった筋肉へと変わってしまったようです。

その為、いきなり厚底シューズを履いて走れるかと言われれば、答えはNOで、しっかりと厚底シューズに合ったトレーニングと筋肉の鍛え方をする必要があります。

薄底が主流の2018年前後から、このNIKEの厚底シューズへの転換点には、きっと多くのランナーの汗と努力があったのでしょう。

 

今では他社も厚底+カーボンを搭載したシューズを開発・販売してきていますが、ネームバリュー、実績という面で見てもまだまだ一歩も二歩も進んでいる印象があるNIKEです。

来年の箱根駅伝もNIKEの一強の状況が続くのかもしれませんね。

 

まとめ

厚底シューズからのNIKEの着用率から始まり、NIKEのミッドソール材ZOOMXの特性やカーボンプレートの効果について、取り上げさせてもらいました。

今年は東京五輪も予定されており、例年以上にスポーツ観戦をする機会が増えてNIKEのシューズを目にする機会も必然的に増えてくるかと思います。

そんな時、このブログをもう一度見返してもらえればと思います。

 

 

靴の材料も扱っている弊社でも、高反発や衝撃吸収力のある材料も多く取り扱っております。

ご興味が御座いましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。

 

(書いた人: 前職はゲーム開発、くつナビのSNS先生  営業M)

 

 

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